精油には、専用の器具で焚く、お風呂に入れる、リンスの材料にするなど、いろんな利用法があります。生活シーンや目的に合わせて選びましょう。
芳香浴
香りを鼻から吸収して、神経に働きかける方法が、芳香浴です。
森の中を歩いたらすがすがしい気分になったり、たくさんの花の香りに包まれると幸せな気分になるといった効果を精油で実感できます。
芳香浴には、2通りあります。ひとつは、直接香りを吸入する方法。ハンカチやマグカップに直接落としてかぎます。即効性が高いので、外出先や時間のないときに便利です。
もうひとつは、オイルウォーマーなどを使って、空気中に香りを拡散させる方法です。
部屋の空気を洗浄したり、複数の人たちといっしょに香りを楽しめます。
入浴
精油の香りを鼻から吸入するととも、香りの成分の効果を肌から浸透させることもできるのが入浴です。
浴室は密閉された空間なので、大変効率のよい芳香浴が可能になります。
湿布
症状に合わせて温めたり、冷やしタオルをからだや顔に当てる湿布は、部分的な症状を緩和させるのにとても便利です。
これに精油を加えることで、効用と香りによるやすらぎがもたらされます。マッサージができないときや、目のまわりなどのデリケートな部分にも手軽にできて即効性があり、子供からお年寄りまで楽しめることも魅力のひとつです。
マッサージ
筋肉の緊張をほぐし、リラックスさせてくれるのがマッサージです。
これに精油の香りがプラスされると、よりリラックス効果が高まり、皮膚を通して有効成分がからだに浸透します。
さらに、血行を促して肌をなめらかにしたり、リンパ液の流れをスムースにする効果もあります。
イランイラン |
いかにもエキゾチックな南国を感じさせる温かみのある香りで、心うきうきと快活にさせてくれる。
うっとりとする甘い香りは人をおおらかな気持ちにさせてくれ、日常のストレス、イライラを鎮めてくれます。 |
ジュニパー |
ジュニパーは、ヒノキ科の針葉樹で、直径5~8mm程度の黒くて柔らかい実をつけます。
お酒のジンに使われるものとして独特の香りが知られています。
精油は発汗を促し、尿を排泄するなどの作用があり、体内の毒素を身体の外に追い出すという性質をもっています。
新陳代謝の促進、身体機能の活性化、身体の浄化や身体を温め整える効果があります。
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ゼラニウム |
ゼラニウムは甘くやさしい香りをもつ精油です。
精神と肉体のリズムのバランスを整え、不安とうつを鎮め、精神を明るく高揚させる傾向にあります。
また、心身緊張による情緒不安定を癒し、ストレスを和らげてくれます。
特に内分泌系(ホルモン分泌)調整作用に優れていて生理のリズムの乱れを整えるためや、月経前不快な症状や月経痛、更年期障害を和らげるためにもよく用いられてきました。
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ティートリー |
離れたところからも香りが風に乗って漂ってくるほど、強い香りをもつ植物で、オーストラリアの先住民が古くから傷薬として用いてきました。
強い殺菌力をもち、皮膚の消毒や化膿止めとしても用いられています。ティートリーは免疫力を高めるとも考えられており、感染症の初期症状や予防にもよいといわれています。
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ユーカリ |
ユーカリは殺菌作用が強くティートリーと共通の特性をもっていますが、比較的清涼感のある香りですので、室内香としても適しています。
さわやかなすっきりした香りは、意識を明晰にし、集中力を促します。
抗ウイルス作用、殺菌作用、消炎作用、鎮痛作用に優れているので、花粉症や風邪による鼻水、痰、せき症状の軽減やのどの痛み、各種の感染症に有効です。
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ローズマリー |
ローズマリーは、心身の感覚を目覚めさせ、刺激作用や頭脳明晰作用があります。
精神的な過労や無気力、記憶力減退の改善に役立ちます。
血液の循環を促し、発汗作用、利尿作用があるので老廃物を除去します。
筋肉痛、痛風、リウマチ痛などを緩和するといわれており、若返りで有名なハンガリアンウォーターの主要成分として用いられました。
また、スキンケア用としても有益で収斂作用があり、肌をひきしめ、脂性肌に効果があります。
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